2010年07月21日

Ptool for GH1 firmware hack を試してみた その5

さて、その4からの続き。

オリジナル素材としてのAVCHDとMJPEG(高ビットレート・低ビットレート)の比較を行ったのだが、編集派の私にとって大事なのは、最終的な視聴形態にエンコードした際にどの程度の画質になるかということである。

最近であれば、ネット用であれTV再生用であれ、ほとんどの場合H264を使用してエンコードすることが多い。
そこで、GH13からのオリジナル素材をそれぞれx264のBDエンコード設定を用いて同形式のH264にエンコードした場合の画質について比較した。

●素材
*SH C設定
*MJPEG modulr設定

●x264設定→BD規格内におさまる平均17MbpsのH264作成を目指して。
プリセットの「Standard-Blu-ray」でtuningsを「film」(実写向け)にしたもの。

program --profile high --level 4.1 --tune film --pass 2 --bitrate 17000 --stats ".stats" --thread-input --keyint 24 --min-keyint 2 --b-adapt 2 --vbv-bufsize 30000 --vbv-maxrate 40000 --me umh --direct auto --subme 6 --trellis 2 --mvrange 511 --nal-hrd --sar 1:1 --output "output" "input"


SH素材をH264にエンコードしたbefore-afterの比較

06.encode_SH vs17mbps_high_detail.jpg

もともと細部が圧縮で丸められていたSH素材だが、さらに細部の描写がマイルドになった感じ。

MJPEG素材をH264にエンコードしたbefore-afterの比較

07.encode_MJPEG vs17mbps_high_detail.jpg

うーん、こうしてみると、4:2:2→4:2:0変換ではけっこうな色情報の損失があるのだなぁと思わざるを得ない。
先ほどのSHのbefore-afterではあまり色は変わった印象はなかったので、総合的に考えると、最終的にMPEG系にエンコードしてしまうなら4:2:2はあまり意味がないとも言える?
ただ、素材がきれいに越したことはないので、弊害がない限り4:2:2をonにしておこうとは思うが。

解像感に関しては、あまり損失は見られない。
というか、逆にH264の方が輪郭強調のような感じに見受けられる。
(そういう設定になってるのかな?x264の詳しいパラメータの見方はわからないので、なんともいえないのだけど)
こうしてみると、いかにGH1のH264エンコーダがアホかということが実感される。
あれだけ潤沢にビットレートをおごってもらってるくせに、なんであんなに細部を丸めるんだろう。
このアルゴリズムをハックで丸ごとなんとかしてほしいと切実に思う。
話が逸れたが、解像感に関してはほぼOKだと思う。

H264にエンコード後のSH、MJPEGの比較

08.encode_SHvsMJPEG_high_detail.jpg

11.encode_SHvsMJPEG_ordinal.jpg

こうやってみると、やはりMJPEGからH264にエンコードしたものの方がディティールの再現性が圧倒的にいいと思われる。
※色に関しては、素材の時点での4:2:2はアドバンテージだが、エンコードして4:2:0になってしまうと、差は小さくなる。

さて、動画からの等倍切り出し絵もアップしておく。

●SHをH264(17Mbps)にエンコードしたもの
re_high_detail_SH40mbps.jpg
re_ordinal_SH27mbps.jpg

●MJPEGをH264(17Mbps)にエンコードしたもの
re_high_detail_MJPEG73mbps.jpg
re_ordinal_MPEG70mbps.jpg


ひらめきまとめ

AVCHDのSHとMJPEGの比較。
結果はやはり画質を考えると高ビットレートのMJPEG(modulr設定)は非常に優れているといえると思う。
ただ、ファイルサイズが非常に大きくなってしまうことと、TV再生にはエンコード必須であることを考えると、常用するには取り回しの悪さが問題となってくる。
解像感に関して、今回は画角と解像度をそろえるためにSHとMJPEGを比較したが、解像感に関しては、やはり解像度の大きいFHDではSHよりも優れている。
AVCHDならではの、ファイルサイズが小さく、撮った後すぐTV再生できるという取り回しのよさは捨てがたい。

ということを考えた場合、AVCHDのFHD、SH、MJPEGには以下のような特徴があるのではないかと思う。


【AVCHD FHD(1920x1080) 24fps】
*画質とファイル容量のバランスが良く、長時間記録も可能である。
*ss1/30から撮れ、暗所にも強い。
 (※また、ss1/60でSHと比較しても、高ISO時の暗所画質ではFHDが勝っているように思われる。)
*MPEG系圧縮の特徴として、境目があいまいな部分はよりあいまいに、くっきりした部分はよりくっきり描写する。
 →暗所撮影において、影でかつ少しぼけた部分の描写はMJPEGには劣るが、際立った輪郭線のある部分の描写はシャープである。
  また、少しのノイズなら丸めてしまうせいで、ノイズが少なく見える。
*デメリットとしては、コマ数が24fpsしかないため、動き物のなめらかな描写には弱い。

【AVCHD SH(1280x720) 60fps】
*画質とファイル容量のバランスが良く、長時間記録も可能である。
*コマ数が60fpsあると、ビデオカメラ的な生々しい描写も可能であり、また動き物にも強い。
 また編集によりなめらかな質の高いスローモーションができる。
*本来はFHDと比較してもss1/2までのスローシャッター撮影が可能であり、暗所においても強かったのだが、
 現在のptoolでは、なぜかss1/50以下で撮ると圧縮が極端に高くなってしまう不具合があるため、1/60以上でしか使えない。
 また暗所画質もFHDに及ばないような・・・。

【MJPEG(1280x720) 30fps】
*ビットレートを上げれば上げるほど画質は良くなる。
 目安としては35〜38ではノイズが目立つので、できれば60Mbps以上ほしい。
*4:2:2モードにすることや細部描写が優れていることにより、色の精度はAVCHDより良い印象。 ただしMPEG系にエンコードすると4:2:0になってしまうため、そのメリットの多くは失われる。
*暗所画質では、ノイズリダクションが働いていないような画質。
 高ビットレート設定により、細部描写は非常にクリアになるが、ISOノイズがまったく消されていないようでAVCHDの高ビットレート設定よりも目立つ。
*スローシャッター(ss1/2〜)も可能なので、ノイズの問題さえクリアすれば暗所ではかなり使える。

→このMJPEGのノイズリダクションに効くAvisynthやAviutlでのプラグインはないかな〜と探してます。
また、MJPEGのMOVはうちのEDIUSではネイティブ編集は無理なので、もしPCを新しくしてかつPro5にアップデートした場合は扱えるようになるかどうかも気になってます。


現在報告されているNative24pパッチのバグがつぶされて、リアルで安定した24pが使えるようになること、そして圧縮のアルゴリズムが改善されてmudが完全になくなることを願ってやまない。
ラベル:ptool GH13
posted by そよはっは at 23:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月16日

Ptool for GH1 firmware hack を試してみた その4

ptool3.40dの設定に関して。
いろいろ実験を繰り返している。
画質面で、設定によって、またコーデックの選択によってどのような特徴があるのかというところでは、だいぶ煮詰まってきた。

ここでは特に、AVCHD(H264)と、MJPEG(非圧縮AVI)の差についてまとめてみようと思う。

試した設定

●AVCHD(C設定ベース)
native 24p
video bitrate adjustment FHD/SH simplified: 50000000
video bitrate adjustment H: 38000000
video bitrate adjustment L: 16000000
overall bitrate: 52000000
limited bitrate: 60000000
1080p GOP: 12

●MJPEG(modulr's JPEGクオリティ100%設定)
colorspace 4:2:2 on
400,4,300,4,250,4,179,4
→とにかくビットレートを上げて撮ろうという設定意図。

●MJPEG(ipowell's stable&replay in camera 30-35Mbps)
colorspace 4:2:2 on
150,86,130,56,115,26,100,4
→ビットレートはあえてカメラ内再生が可能な38Mbps以下におさえ、平均30〜35でどんなシーンにおいても安定した撮影を可能にしようという設定意図。


では、比較切り出し静止画を上げながら、それぞれの特徴を書き出してみる。

なお、動画からの切り出しは、MJPEGはカメラが生成するJPEGサムネイル(1280x720)を、AVCHDはそれぞれ2フレーム目をTMPGEncで切り出した。
※なぜか1フレーム目は他のフレームと比べて汚いので・・・

画像比較は、Fatstone Image Viewerで行ったものをプリントスクリーンでとっている。


1.AVCHDとMJPEGの差異

まずは、SHとMJPEG(mudhr)の差を、日中屋外の情報量の多いシーンで比較してみた。
01.original_SHvsMJPEG_high_detail.jpg

SHも40Mbps以上のビットレートを誇るのだが、かなり細部をつぶしているのがわかる。
ただし、動画で見た場合は気になるブロックノイズもなく、不足ない画質を実現している。
対するMJPEGの70Mbpsはさすが、破綻なく細部まで描ききっている印象。

同じくSHとMJPEG(modulr)の差を、日中日陰の情報量・中程度のシーンで比較してみた。
03.original_SHvsMJPEG_ordinal-01.jpg
03.original_SHvsMJPEG_ordinal-02.jpg

やはりSHが細部をつぶしているのが目立つ。(これはこれで動画で見た場合悪くはないのだけれど)
MJPEGは、1枚1枚の葉の階調まできれいに描き出せている。
色合いに関しても、特に緑の鮮やかさがMJPEGの方が良いようだ。
4:2:2色空間の恩恵だろうか。

続いて、屋内で薄暗くかつコントラストの低い、一番高感度ノイズが目立ちやすい状況でISO1600のテストをしてみた。
同じくSHとMJPEG(modulr)の差である。
09.original_SHvsMJPEG_iso1600.jpg

日中の情報量の多いシーンに比べると、細部描写の差はそれほどSHとMJPEGの間には感じられない。
それよりも、MJPEGがカラーノイズ、バンディングノイズまで模様と認識して描きだしているような印象である。
対し、AVCHDの圧縮ではノイズが丸められてしまうようで、わりと消えている。

AVCHDは非常に高圧縮での高画質を実現している。
かといって魔法のように画質をまったく損なうことなくファイルサイズを減らせるかというとそういうことではなく、遠目に見てわかりにくい部分を徹底的に丸めて、その分輪郭をはっきりさせている傾向があると思う。
ただ、GH1に関しては、どうも圧縮がまずいというか、やりすぎ感が否めないような・・・。


対して、MJPEGの圧縮は非常に素直に細部を再現しようとする特徴があるようだ。
では、これを破綻なく実現するには、どの程度のビットレートが必要になってくるのか。
次に、MJPEGでビットレート設定を変えて試してみた。

2.MJPEGの高ビットレート(modulr)と低ビットレート(ipowell)の差異

MJPEGの70Mbpsと35Mbpsを、日中情報量の多いシーンで比較してみた。
※ただし、MJPEGのビットレート設定の変更には一旦ファームウェアを当てなおす必要があり、日を分けるしかなかったため、WBや画角が少し異なってしまった。
05.original_MJPEG70vsMJPEG30_high_detail.jpg

70Mbpsが破綻なく描ききっているのに対し、35Mbpsでは随所にブロックノイズが見られる。
また、GH1のMJPEG圧縮の特徴として、ビットレートが足りない場合、輪郭にモスキートノイズが現れる傾向がある。
ipowell設定では、日中他のシーンでも特にモスキートノイズが顕著に出てきた。
対し、modulr設定では、ほとんどモスキートは見られない。

次に、薄暗い屋内の低コントラストのシーンで、MJPEGの設定ごとの比較をしてみた。
ビットレートは66Mbpsと30Mbpsである。
10.original_MJPEG66vsMJPEG30_iso1600.jpg

傾向としては似ているし、低ビットレートの方にも、情報量の多いシーンで見られたようなモスキートノイズは現れていない。
ただし、やはりカラーバンディングノイズの出方がやや高ビットレートの方がきれいだし、低ビットレートの方は画面右下のモアレが悪目立ちしている。

→ということは、MJPEGを効果的に活用しようと思えば、やはり高ビットレートのmodulr設定で攻めた方がよさそうだ。
安定性とカメラ内再生は犠牲になるけれども。



3.AVCHDの高ビットレート(SH)と低ビットレート(L)の差異

次に、AVCHDのSH(40Mbps)とL(14.5Mbps)を、1と同じ情報量の多い日中のシーンで比較してみた。
02.original_LvsSH_high_detail.jpg

比較するとややLの方が破綻が見られる。(例えば看板の部分等)
だが、SHとLは傾向は非常に似ており、MJPEGとAVCHDほどの差は見られない。
ただし、動画で見たときのGOP単位の画質変動の目立ち方は、L>H>SH(>FHD)で、ビットレートが高いほうがより目立たないのである。
GOP単位の画質変動は、再生能力の高いBDレコとプラズマの組み合わせではほとんど出ないため、PC再生だけの問題なのだが、これを画質に対する優劣として見ていいのかどうか・・・。


原寸の当倍切り出しも載せておく。

位置情報日中屋外 情報量大

●SH 40.8Mbpps
or_high_detail_SH_40mbps.jpg

●MJPEG modulr 73.9Mbps
or_high_detail_MJPEG_73mbps.jpg

●MJPEG ipowell 32.4Mbps
or_high_detail_MJPEG_32mbps.jpg

●L 14.5Mbps
or_high_detail_L_14mbps.jpg

位置情報屋外 情報量中

●SH 27.5Mbps
or_ordinal_SH_27mbps.jpg

●MJPEG modulr 70.4Mbps
or_ordinal_MJPEG_70mbps.jpg

位置情報暗所 ISO1600 低コントラスト

●SH 27.9Mbps
or_iso1600_SH_27mbps.jpg

●MJPEG modulr 66.9Mbps
or_iso1600_MJPEG_66mbps.jpg

●MJPEG ipowell 30.7Mbps
or_iso1600_MJPEG_30mbps.jpg


さて、今回はオリジナルの素材についての比較だった。
次回は、素材を編集して最終出力形態にエンコードした場合に、どれくらいの画質劣化があるのかについて、MJPEG、AVCHDを比較してみようと思う。
ラベル:ptool GH1
posted by そよはっは at 13:08| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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