2014年03月31日

BMPCC,GH2の新しいワークフロー

さて、新しいハード、ソフトを導入したところで、ワークフローがだいぶ変わったところがあるので、整理してみようと思う。

編集ワークフロー2014.png

ごちゃごちゃ手順をメモるより、図にすると全体像がわかりやすいと思うので、図にしてみた。
※ちなみにこれはChromeアプリのCacooというサービスで作ったのだけど、これめちゃくちゃ使いやすい!
オフラインで使えたら会社でも有効に使えるのになぁ。

さて、ここからは図の補足説明。

オレンジラインは、BMPCCでRAW撮影したファイルのワークフローだ。
Premiere CS6では、直接RAWを読み込むことができない。
なので、まずはDavinci Resolveで各素材クリップを同名の軽量プロキシファイルにエンコードして、このプロキシファイルをPremiere CS6で読み込んでカット編集をし、この結果をxml経由でDRに戻してオリジナルファイルをグレーディングし、別クリップに変換してもう一度Premiereで仕上げをして出力する。

緑ラインは、BMPCCでProres422撮影した場合のワークフロー。
こちらはPremiereで直接読み込めるため、特に最初にプロキシを作る必要はない。(もちろん作ってもよいのだけど。その場合はオレンジラインと同じ工程になる)
Premiereでカット編集を終えた後、xml経由でDRに移してグレーディング、別クリップに変換してもう一度Premiereで仕上げをして出力する。

最後に紫ライン。これはGH2をDRでグレーディングする場合だ。
DRはそもそもBMPCC推奨のグレーディングソフトであり、BMPCCで撮影したファイルには対応しているが、AVCHDは未対応だ。

ただし、import対応形式は下記のようになっている。
*各種RAWファイル
*DPX
*Quicktime形式のファイル
Quicktime(MOV)の場合、BMPCCのProres422はもちろん、CANONのH264なども読める。
→ここ重要!
AVCHD(拡張子.m2tsあるいは.mts)は対応していないが、コンテナをMOVに変換することにより、再エンコなしでも読み込むことができる!

AVCHDのMOVへのコンテナ変換では、MACでは5DtoRGBという有名なプログラムがあるが、WINではなかなかメジャーではない。
が、ffmpegを使えば可能である。

これについては、いずれまたエントリーを上げることにする。

読み込んでしまえば、後は基本オレンジラインと同じだ。
あるちょっとした理由により、これはプロキシを作成したほうが使いやすい。

Premiereでカット編集を終えた後の流れは基本的には同じだ。

DRにxmlで送る

オリジナルの各クリップに対してグレーディングを行う

クリップごとに別名で中間ファイル(A、B、C・・・)として吐き出す。このときxmlも。

xmlをPremiereでインポートし、シーケンスに使用している各クリップにA,B,C・・・をそれぞれ再リンクさせる。

仕上がったものを、1本のマスタークリップとしてつなげて出力

別ソフトでエンコード、必要であればMux(多重化してコンテナに格納すること)

最終出力形態(m2tsまたはProres422のMOV)

ワークフローを全体的に表にしてみたが、この詳細について、またぼちぼちメモがてら書き残していこうと思う。
posted by そよはっは at 22:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月10日

BMPCC導入1ヶ月の編集後記:チラ裏エントリー

さて、BMPCC購入からそろそろ1か月が経とうとしている。

作例はこちら

bmpcc sequence grading from soyoharu on Vimeo.



bmpcc cafe daylight from soyoharu on Vimeo.



bmpcc sample: park daylight from soyoharu on Vimeo.




忙しいのと寒いので、なかなか持ち出せていないのだが、その中でもしばらく撮ってみて思った感想。
特にGH2との対比でみていこうと思う。

*色
これは正直同じ土俵に上げることができない。
GH2の絵はあらかじめ「仕上げられた」絵である。
これに対し、BMPCCはLOGガンマの状態からいかようにもいじることができるからだ。
その中でも、Blackmagic一押し設定というのがまぁBlackmagicのRec709なのだろう。
風景に関してはこれはとてもいい味を出している。
人肌に関しては、もうちょっとサンプルを見てみないとなんとも言えないけど、ちょっと彩度が高すぎてべたっとした感じ?
ただし、これはLOGに対する無限に近い味付けの提示の一つなので、これがだめなら別のLUTもあるよ、なんならあなたの好きなように自分で調整して、っていう懐の広さがある。
こんな例がわかりやすいだろうか。
私はもともとFUJI、CANONやオリンパスやペンタックスの撮ってだしの色は好きだが、パナソニックやニコンやSONYはなんとなく好きではない。
これがRAW撮影だとどのカメラを使っても結局自分の好きなように調整できるようになるのと同じこと。
GH2はあくまで「撮ってだし」前提のカメラなのである。
これに対しグレーディングを加えることも可能だが、そこには無理がある。
しっかり味のついた酸辣湯からあっさりしたポトフを作るのと、基本の出汁だけからポトフを作るのでは、どちらが作りやすいか、その違いだ。
BMPCCは「出汁」のカメラだ。

ポスト工程でスライダーを動かす時の調整幅は体感的にはこんな感じ。
 GH2:0,2,4,6,8,10
 Prores422HQ:0,1,2,3,4,5,…,10
 RAW:0, 0.5, 1, 1.5, 2, 2.5,…,10
このクリック感に関しては、以前も何回か紹介したこちらのリンク先が詳しい。
http://blogs.adobe.com/VideoRoad/2010/06/understanding_color_processing.html
あくまでも上記は私の体感ってことで。

まず、GH2とBMPCCの2つ(Prores、RAW)大きな違いはやはりコントラスト。
GH2はどれだけがんばってもやはり最初から大きなコントラストがついてしまう場面がある。(逆光時、暗所等)
これをポストでコントラストを弱めても出てくる色情報にはどこか無理がある。
逆にBMPCCは高コントラスト条件でもかなり自然な色出しが可能。

次に、BMPCCのProresとRAWの違い。
こちらはさすがに違いは微々たるもの。ただ、やはりRAWの方が余裕を感じる。
っていう言い方だと、あまりに抽象的なので、もうちょっと具体例をば。
同じ場面をほぼ同じ露出で撮ったサンプルがある。
これに対し、どちらもlogガンマから出発して全く同じ色の調整を加えたときに、Proresの方がコントラストMAX感に到達するのが早いっていう感じ。
ただパッと見は本当に微妙な差なので、ファイルサイズを考えてもProresはかなりお得な選択だといえるだろう。

実際のビデオサンプル。時間がなかったのでタイトリングをはぶいているが、同じ場面がジャンプカットで2回続く。それぞれ前半がProres422HQ、後半がRAWだ。

bmpcc comparing prores and raw from soyoharu on Vimeo.



*ノイズ感
GH2のようなfixd patern noiseではなく、グラデーションでさらさらの砂をまいたような好ましいノイズだが、やはりオリジナルから明度を引き上げたりすると、グレーっぽいくすみにつながってくるので、NRは必要だと感じる。

*モアレ
Proresでより気になる。RAWではそんなになんだけど。
GH2では見られなかった斜めの繊細な線の描写の不自然さがある。

*解像感
イメージ的には、GH2からシャープ処理を全てとっぱらったような素直な自然な線の描写。
ピントさえあっていれば、ポストでシャープ処理をすることで十分GH2程度の解像感は得られる。
ただし、このピント合わせに若干問題が。
とりあえずリグなしでピーキング表示のみを頼りに合わせてみているのだが、近接撮影では大丈夫でも、望遠が厳しい。
リグなしだとアダプタシュー経由で外部モニターを積むのがためらわれるほど小型で華奢なボディなので、あのごっついsmall HD 6を積んでもいいものか思案中。
small HD 4あたりがベストマッチなのかもしれない。

*撮り易さ
これは、まじで難しい。まず操作性が通常のビデオ、DSLRとだいぶ違う。
画面表示をLOGでなくVideoにしているのだが、コントラストが低すぎて露出の合わせ方が難しい。
白飛びさせない程度に明るく、というのがセオリーだろうが、こういう絵のときはこれくらいの露出で、という勘どころを見つけるひつようがあるだろう。
慣れだろうな。

映画【撮影方法】

まず、可変NDは必須。これがないと辛いだろう。

1.SSを固定する(23.976fps→180度)
2.ベースISO感度を決めてしまう。(これは経験が必要だが、このくらいの明るさならだいたいこのくらいのISOで、というのはどのカメラでも共通)
→ここまでが下準備。一連の撮影で上記を一旦決めたら、後は触る余裕は、正直ワンマン撮影では、無い。
3.F値を決める
絞りリングが使えないAFレンズの場合:
A:F値解放で撮りたい可変NDを一番暗くした状態でIRISボタンを押す→F値が解放で設定されたのを画面下で確認して、あとは可変NDを回して画面上で見た目を調整
B:絞って撮りたい:可変NDを適当に明るくしてIRISボタンを押す→画面下にF値が表示されるのを確認して、ちょうどいいF値になるまでこれを繰り返す。
※ということで、たぶんここは圧倒的に絞りリングがあるレンズが使いやすいかと思います。
4.ピントを合わせる。
FOCUSボタンを2度押しすると、緑色のピーキング表示になる。
※AFが使えるレンズなら、FOCUSボタンを押すと中央一点のみだけど一応AFが効く。遅いけど。

ということで、これだけの手順を踏むので、1カット撮るまでにだいぶ時間がかかる。
あたふたしてる間に手振れも発生する、等、これは絶対にマニュアル撮影初心者に優しいカメラではない。


【総括】
なんだかんだいって、結局BMPCCの吐き出す絵にはメロメロハートたち(複数ハート)(って、結局それかよ!)
コントラストMAXではなく余裕がある感じがいい。
その場の空気感みたいなものを捉える力が高いカメラだなって思う。
これがダイナミックレンジもしくは色深度10bitってやつの効能なのかなぁ。
目で見たニュアンスを伝えたくて撮ってはみたけれど、実際PCに取り込んでみると、結局伝えたいことが表現できていなくて捨ててしまうカットが、BMPCCだと格段に減る気がする。
(ただし、ピント、手振れ等の操作性の悪さから捨てカットにせざるを得ないものもまた多いのは事実だけど)

後は、ポストプロセスで色をいじることを前提として撮ったときに、どんな雰囲気を伝えたいか?というテーマを明確に持っていないといけないなというのは感じる。なんせ、出汁だから。
このことについては、また別のエントリーにて。
posted by そよはっは at 22:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

10bit4:2:2の素材を編集してVimeoに投稿する方法(win) その2

さて、HQX-AVI(ALL-I、10bit4:2:2)をMOVコンテナにおさめてVimeoに投稿する方法。

結論から言うと、再エンコなしっていう表現はちょっとおかしい。
ffmpegで、-vcodec copy を選ぶとエラーは出ないのだけれど、コンテナ変換だけにしては処理に時間がかかっている。何よりファイルサイズがかなり肥大化する。
イメージ的には、Quicktime形式の無圧縮にデコードしたものをMOVコンテナにおさめてる?

http://ja.wikipedia.org/wiki/FFmpeg
上記に、-vcodec copyについて
"# 変換後のフォーマットによっては、そのフォーマットの仕様の制限やFFmpegが未対応であることなどにより変換前のコーデックが入れられないことがある。"
との記述もあるが、この現象はよくわからない。

ということで、ここはおとなしく、ffmpegを使って、HQX-AVIからファイルサイズの合理的なProres422に変換する方法を載せておく。

【用意するもの】

1.Glass Valley HQXコーデックの導入
http://pro.grassvalley.jp/download/gv_codec_option.htm

2. BMPCCの撮影素材

3.Davinci Resolve (liteも可)あるいは10bit以上でグレーディングできるソフト

4.10Bit以上で出力することができるNLEソフト(AE、Premiere等)
http://blogs.adobe.com/VideoRoad/2010/06/understanding_color_processing.html
上記はとてもわかりやすい色深度に関する説明を載せてくれている。

5.Avisynthの導入
http://www.avisynth.info/?FrontPage

6.ffmpegの導入
→ここではAnotherGUIを使う。
http://www.stuudio.ee/anothergui/

【手順】

1.BMPCCで撮影

2.Davinci Resolveでグレーディング→Quicktime 無圧縮 10bで書き出し

3.Premiere CS6でカット編集を終え、HQXコーデックのAVIで書き出し

[Point]
premiere max bit-01.JPG
シーケンス設定は、レンダリングする直前に上記の状態にしておく。

premiere max bit-02.JPG
書き出し設定は、上記のとおりAVI、コーデックはHQX(コーデック設定は最高画質にしている)、各種チェックを入れる。

→ただし、こんな記事も見つけた。
結局Premiereの場合、「最大深度」のみチェックを入れたらよい?
http://wolfcrow.com/blog/how-to-handle-bit-depth-in-adobe-premiere-pro-after-effects-and-speedgrade/
4.以下のavsスクリプトを書く。

AVISource("D:\edit\bmpcc park daylight.avi")
#""の中身はHQX-AVIのファイルアドレスに読み替えて。

5.AnotherGUIを起動し、PresetのBOXをダブルクリックして、FCPの4種類の中から選ぶ。上から順にProxy、LT、HQ、HQ高品質と考えていいみたい。
anothergui-01.JPG

6.「Add Source(s)」で一つまたは複数のファイルを選び、リストに表示させる。アウトプット先を指定する場合は、このリストで選択した状態で「Change Output Path」を押すと変更できる。
「GO」で変換が開始される。

→Prores422のMOVの出来上がり。

後はこれをVIMEOにアップロードすればよい。
posted by そよはっは at 22:14| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月03日

10bit4:2:2の素材を編集してVimeoに投稿する方法(win) その1

最初にコーデックの勉強と最近のムービーカメラの記録コーデックのトレンドなどについて。

映像ファイルにおける画質の高低を表すパラメータとして一番わかりやすいのは、解像度、ビットレートだろう。
解像度は映像の荒さと関係するので高ければ高いほど良いのはわかりやすい。(ただし視聴画面と距離において限度(Retina)があるけど)
ビットレートももちろん高ければ高いほどきれい。圧縮ノイズも減っていく。
ただし、低ビットレートでも何の破綻もなくきれいに表現できている絵もあれば、高ビットレートでも埋められない領域もある。
ビットレートだけでは測れない画質を決めるパラメータのうちのいくつかについて説明しておく。

位置情報色深度
ある色相(例えば「赤」)の明度・彩度の高低を表すのに、どれだけ間を刻むかというグラデーションのなめらかさに関するパラメータ
今のカメラで撮影できる素材では、8bit〜14bit程度まである。bit数が高いほどグラデーションがなめらかである。
よく空や子供の肌などなめらかなグラデーションの部分にうっすらと等高線のような色差がみられる現象があるが、あれはバンディングといって、この色深度と密接なかかわりがある。

位置情報色情報の間引き方法
RGB→YUVの4:4:4→4:2:2(YUY2)→4:2:0(YV12)とか。
めちゃくちゃ簡単に言うと、前者が一番画像を構成する色の粒が細かい。つまり、エッジがなめらかになる。
後者は複数の粒を使って塊で色を表現するその塊の単位が大きくなっていくため、エッジがあらくなっていく。
→ただし、これは4K、2KHD、SD等の解像度とも密接な関係がある。解像度が高ければ、適切な視聴距離では実質の粒が小さくなっていき、エッジの荒さは目立たなくなる。

参考文献はこちらの記事
http://daigouji-gai.tripod.com/documents/document07.html
http://www.boktv.x0.com/bokblog/2007/03/post_6.html

位置情報フレーム間圧縮の有無と程度(GOPサイズ)
ALL-I(イントラフレーム):全て独立して切り出せる1枚絵。
P、Bを使用したIPB方式:前(後)の絵(参照元=I)からの差分記録(または予測生成)方式。複数のフレームからの合成としてデコードされる
ALL-Iの方が動きが激しい場合でも1枚1枚はきれいな絵で撮れ、結果的には動的な場面でも精細な画質となる。P、Bは合成により実際にはない情報を「補間」したり、あるいは予測から外れた情報をとらえきれなかったりするため、動きが激しい場合には不利となる。
※ただし、これもビットレートとのバランスが大きく、ALL-Iはビットレートを大きく取れないと、1枚1枚のIフレームの絵の圧縮率が上がってしまい、結果的にブロックノイズが発生したりして破たんする。この点、IPBでビットレートに余裕をもって割り振れるため、参照元のIフレームの画質は相対的にはALL-Iより高く、これに基づいてPBを生成するため、特に動きが少ない場合にはきれいに見える。
※ちなみに私がお世話になっているGH2ハッカーのbkmcwdさんが得意とするのは3GOP(IBBIBBIBB…)などのショートGOPだ。Iのファイルサイズとビットレートのバランスがよく、私はGH2のALL-Iよりもずっときれいだと思う。

一方世の中の話をしよう。
私たちが目にする視聴媒体における配信ファイルのコーデックを最終形態とすると、今の主流は8bit4:2:0だ。
TVの電波にのってきているのは、大半がMPEGかH264.
MPEGやH264は規格では8bit420までと定められている。
インターネットでもYoutube、Vimeo等の動画サイトで広く配信されているデータはH264が主流で、圧縮に8bit420を用いている。

では、その映像を作る過程でのカメラからの映像キャプチャの段階ではどうか。
カメラの歴史はフィルムから始まった。フィルムは色深度、粒の大きさともに非常によく、なめらかで豊かな階調表現ができた。(らしい)
これをデジタル化する際に、まったく圧縮をしないのがRGBであるが、これではファイルサイズが大きくなりすぎて実質扱えないことから
いかにこれを圧縮するか、というのがデジタルカメラの記録コーデックの進化の命題となってきた。
画質とファイルサイズとそれを記録するメディアとのバランスで、そのカメラの商品の価格帯、顧客層が決まる。
映像の制作側としては、最終形態で大きく色情報を削って圧縮することになるので、それまではなるべく豊富な情報を残したファイル形式で編集することが望ましいことは言うまでもない。
かといって、何かするたびにつどストレージを入れ替えたりしなければいけないような非現実なファイルサイズでも困るわけだ。

いわゆるエントリーレベル、アマチュア機のビデオ記録だと、Cameraからの出力=最終視聴形態で、これは今の主流はH264の8bit420だ。
少し前はビットレートが低いMotionJPEGなどで記録するDSLRもあったが、今はほとんどH264ではないだろうか。
ビデオカメラやPanasonic、SonyなどはAVCHDのm2ts、他動画対応DSRLだとMP4、QuicktimeのMOVなど。

そして、プロ向けの最たるものがRAW記録。圧縮なし(またはロスレス圧縮)で記録する。
ただしこれにはCamera内収録は無理でいろいろ線やSSD等の機器をつないで外部記録をしなければいけなかったり、それがプロ機たるゆえんだ。

今面白いのは、いわゆるプロシューマ−(プロの中でも低コストな小規模なところ、あるいはアマチュアだがより高性能な機材を求める層)向けの製品であり、ファイルコーデック一つとってもさまざまなレンジがある。
その中で今注目なのが、アマチュア〜プロシューマ機の価格帯で購入できるBlackMagic社のレンズ交換式ムービーカメラ製品だ。
4K、2K、HDというラインナップがあり、特徴はProres422HQ及びRAW記録が可能なことだ。(しかも驚くべきことに、一番安い10万円のBlackMagic Pocket Cinema Cameraでは、内部のSD記録で、である。手のひらに乗る小さな箱体一つに、膨大な情報を記録できるの!)

Prores422HQとは、10bit4:2:2のALL-Iで記録できるAppleのFinalCut専用のコーデックであり、MACの世界(=画像処理・映像制作の本場)では広く流通している。
もともと中間ファイル用として開発されておりそれ自体が再編集も可能なほどの画質を備えているので、プロの世界での最終納品形態としてこれを指定される場合も多い。
TVでの視聴はできないが、最近の高スペックPCなら十分再生できる。

ここから本題。
わたくしごとだが、めでたくBMPCCを購入し、長らくお世話になったGH2の8bit420の世界からProres422HQの10bit422収録へとグレードアップした。
これにより何が変わるか?
Vimeoへのアップロード方式を変えることができるのだ。
現状は8bit420の素材を8bit420のH264で出力して出すことしかできなかったけれど、10bit422の素材は10bit422のまま編集して出したい
VimeoならProres422のMOVをアップロードでき、しかもwinでもMACでもダウンロードして10bit422の元素材を見てもらうことができるようになる。
(もちろんネット上での再生データは今まで通り8bit420だけどね)

ただし・・・アマチュアシネマトグラファーの端くれを目指すものとして、撮って出しの素材のみ投稿、というシチュエーションはほとんどない。機材フェチじゃないし、編集して作品として世に出したいという思いがある。
これに対し、Prores422HQというのは、基本FinalCut用のコーデックのため、ライセンスの問題があり、Windowsでのほとんどのソフト(Adobe製含む)はこの形態での書き出しができない。がーん。
しかしネット情報によるとwinではffmpeg等でファイル変換のみは可能なようだ。
まず中間コーデックで出してからさらにffmpegにかける必要があるのか〜うーん・・・。

ちなみに、映像制作に携わるプロ(やアマチュア)の間でWin使いの人はおそらく大歓迎で受け止めて使っているであろうデコードエンコード無料配布のファイルコーデックが、国産メーカーCanopusによるHQX-AVIだ。
10bit4:2:2のALL-I記録でありながら、ファイルサイズはProres422Proxy(一番下位の高圧縮タイプ)よりも小さく、かつ画質はむしろ勝っているように感じる。
さて、このHQX-AVIは中間コーデックとして10bit4:2:0のままもっていくことができるのだ。その受け渡し先は先述したffmpegであったり、x264(H264高画質変換用フリープログラム)であったり、またはwinの別のNLEソフトであったり、さまざまだ。
これが広く流通してくれればいいんだけど、DavinciやSpeedgrade等のグレーディングソフト、あるいはAnotherGUIなんかではこの形式の読み込み、書き出しができないようで。
VimeoやYoutubeでも直接これをUploadしようとしてもはねられる。
このHQXのファイルサイズと画質を考えると、中間コーデックとしてだけでなくむしろHQXを最終納品形態としてもいいくらいだ。ファイルサイズ小さいし。
しかし、MACで扱えないためマカーにおけるProres422神話に比べるとまだまだインパクトが弱く、、なかなかメジャーにならないのだろう。

さて、では、win使いにとっては、10bit420でVimeoに上げる方法は、NLE→HQX→Proress422と、無駄に1回エンコードを増やさなくてはいけないのか?
というときに、ある裏技を思いついた。
Avisynthを使えばAnotherGUIにHQXを読み込んで変換することができるのだ。
では、このavsスクリプトでもってffmpegの-vcodec copyオプションを聞かせて、MOVコンテナに再エンコなしで入れて、このMOV入りのHQXをVimeoに読ませることができるんじゃないの?と。

結果から言うと、一応できたっぽい
次のエントリーに続く。

→うーんたらーっ(汗)あせあせ(飛び散る汗)
できたと思ったんだけど、厳密に言うと再エンコなしでっていうんじゃなくて、「変換」自体はされてそう。
詳細は次のエントリーで。
posted by そよはっは at 22:36| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月02日

言い訳っぽい投稿ですが、要はBMPCC買いました報告

こんなブログをやっているが、私は「機械好き」でも「新し物好き」でもない。
異論はあるだろうけど、断固として違う。

新しいカメラに買い替える基準は、今の手持ちと比較して
位置情報明らかな画質的改善がある。
→例えばAVCHD対応のコンシューマー用H264に対して、RAW、10bit422等低圧縮でのlog収録、解像度、フレームレートの明らかな進歩(4K、120fps等)
 より大きなセンサーサイズによるボケ感、高感度ノイズ処理の向上(いや、これはレンズ資産との兼ね合いが多いので、優先順位は低いが))
位置情報操作性に劇的な改善がある(ワンマン撮影なので、実際はこちらが大事かも…)
→手振れ補正、ピーキング、ND内蔵かどうか、小型軽量化、記録の高速化対応(内部SD記録でかつHDD取り込みの取り回しの楽さ)、レンズ交換を極力少なくできる

であり、かつ最低限の品質を維持していることにある。すなわち
位置情報>安定性
→ファイルが間違いなく記録されること。「あ、撮れてなかった…(涙)」がないこと
は大事。

例えば、それまでのコンシューマ用ビデオカメラからより大きなセンサーサイズで撮れるGH1への買い替えは「画質改善」をもたらすからだった。
まあGH1からGH2への買い替えは、正直画質、操作性の面では劇的に違うとは言い切れないが、ハッキングによる安定性が全く違ったからである。

自分の手持ちのカメラ、目指す理想の映像品質、自分の撮影スタイル、環境を考えた時にベストマッチなものを
1台持っていればそれでいい。
いくつももっていたって、ワンマン撮影では結局1台ないし2台くらいしか持ち出せないのだから、次々と買い替え、買い足しをするのは「無駄」とわかりきっている。

そう考えた時に、GH2にはもうかなりの部分で満足している。
不満点としては
*ピーキング表示がないので、本気の撮影時にはsmallHD DP6が必要で、結果として重量化、大型化する。
*LOG収録ができないこともあり、暗所に弱い。(あらかじめコントラストがついて暗い部分はより暗く映るように焼きこまれているため、ほしいディティールがつぶれる。)
*手振れ補正がない

言い換えれば、これくらいなのだ。欠点は。
bkmcwdさん、VKはじめハッカーの皆さんのおかげで本当にこのカメラを長く愛して使い続けてこれている。

そんな私が、ついについにBMPCCの魅力に陥落して買ってしまった。

しつこいが私は新し物好きでもスペック厨でもない。
スペックだけでRAWが絶対的にH264と比較してすぐれている、なんて思うのは馬鹿らしいと考えている。
そりゃあ高画質だけれど、それと現状のPCスペック、取り込み後の状況を勘案してどれだけ元がとれるか、というところまで見積もってだ。
グレーディングを前提としなければHacked GH2のCamera内bakedだって十分きれいな映像が撮れるのはよくわかってる。
のだけれども…。
作例を見ていても、やはり明らかに夕暮れ〜夜、暗所での絵の美しさが歴然としていたのがやはり決めてとなった。
ここにlog収録のできるメリットは改めて大きいように思う。

後は、やはりグレーディングの楽さ。

※ここで定義する「グレーディング」とは、単にヒストグラムやベクトルスコープ上で露出やコントラストや彩度をクリップごとにそろえる、といったレベルの話ではない。
instagramなどで特定のカラーバランスに整える最終テイストの話だ。

グレーディングソフトや手法についても、私はスペック厨になりたくないとは思っている。(いや、この領域は物理的な商品より手を出しやすいので、正直衝動買いも多いんだけどね…)
どんなソフトを使おうが、例えばVimeoで人気のJames Millerのような美しいfilm likeな色が出せるのはわかる。
限界はあるかもしれないが、8bit4:2:0のH264素材からだって
さじ加減ひとつできっとできるのだ。(撮影時からのWB、露出、カラーバランスをいじったりして、グレーディングによる破たんをなるべく防ぐことも含む)
理想的には。

ところが、ここは圧倒的に自分の力量が足りない。
例えばinstagramのプリセットのように、このプリセットを充てるとだいたいなんでも好きな感じにしあがる、という《好き嫌い》の感覚はある。
だが、この色と比べてなぜこっちの色合い(カラーバランス)が好きなのか、が明確に数値で説明できないのだ。
GH2ですでにある程度REC709用にコントラストをつけてGH2味に焼きこまれた絵に対して、shadow、mid、highlightをどの程度いじって、トーンカーブをどう動かして、あるいは色域ごとの色相、明度、彩度をどの程度調整して、全体あるいはshadow、mid、highlightごとの彩度をどの程度いじって…いけば、目指す色味になるのか。
そもそも目指す色とは具体的にどういう色なのか。
そういうことがわからないので、さじ加減のしようがない。

ということは、やはりいわゆるLUTと呼ばれるプリセット的なものに頼らざるを得ない。
あらかじめ決め打ちで特定のカラーバランスになるように変えてみて、後はクリップごとの破たんや気に入らないところを微調整する、という使い方がベストだ。

ところが、現状ではGH2のようなLOG収録でない絵に対する好きなLUTがなかなか見つからない状況だ。
コンシューマー機GH2でコンシューマー用汎用ソフトでグレーディングするにはおそらく一番メジャーで最適であろうグレーディングソフトはMagic Bulletだろうが、どうもこの会社と私では目指すテイストが違うらしい。
映画で言うなら、私はロマンティックコメディやヨーロッパの中世もののような繊細な雰囲気が好きだが、MBLはどちらかというとアクション、サスペンス、ホラーっぽいノリだ。(いわゆるティールオレンジや、ウォーム系でもオレンジが強すぎる感じ…)
あんなにたくさんのプリセットがあるのに、好みのものが見当たらないのだ。うーん…もどかしい。

一方、ResolveやSpeedgrade等のメジャー級ソフトでは好みのLUTがあったりする。
しかし、取り込み形式がQTでないといけないなど、微妙にGH2の素材が扱いにくいのだ。
具体的にはGH2の素材をMOVにコンテナ変換するのだけど、毎回毎回中間ファイルを使って編集する方法はかつてのEDIUS時代に逆戻りのようで、あまり快くない。(たまにならいいんだけど、毎回だとHDDを圧迫する)

ネットの情報によると、最近のトレンドはfilm convertというソフトらしく、これならスタンドアロンもAEやpremiereのプラグイン版もあって、GH2にも適用できるようだ。
さて、これを導入して、GH2で好みのプリセットをあてるか…手軽さで言うと、これがいいかもしれない。でも…

うーん、もうそれならBMPCCでLOG収録及びRAW撮りができる環境を整えて、豊富にあるlog素材用のLUTを活用すればいいんじゃない?というのが、今回の購入に至った経緯だ。

film convertはNLEソフトのプラグイン版があって、ResolveやSpeedgradeのような面倒なラウンドトリップ手順をふまなくていいところも魅力的(colorista2と併用すればけっこうそれなりのことができそう)なので、また後日導入を検討するとして。

さて、しばらくこれで遊んでみようと思う。
posted by そよはっは at 23:16| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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