2013年03月02日

Grading Training その1

カラーコレクションハンドブック
を読んで非常に感動し、グレーディングに対する情熱がわいてきたので、勉強したことを久々にメモしていくことにする。

素材はLumix GH1のAVCHD(H264)であるので、高圧縮素材(4:2:0)である。
これをRed Giants社のColorista 2でグレーディングする。
1.全体的な明度・色・コントラストのバランスを補正する。
2.被写体と背景の区別をつけ、際立たせる。
3."Look"を与える
という手順で行っていこうと思う。

まずは、Step1として、「映像の色を判断し、正しい状態に補正する」というところまで。

Grading Training Log from "Color Correction HandBook"; Step 1 from soyoharu on Vimeo.



Step 1の学びポイントは
*ベクトルスコープ、YC波形(ルーマ波形)、RGBパレードスコープの見方
*3-way(リフト/シャドウ、ガンマ/中間調、ゲイン/ハイライト)の調整方法
*HSL調整(色カーブ)機能の使い方と注意点
*セカンダリーキーを使ってみる
の4点である。

クリップは全部で6個。
宮古島のドライブ映像で、晴天で気持ちのいい日だ。
絵のポイントとなるのは、青空、入道雲、植物の緑、灰色のアスファルト、赤土あたりだろう。
惜しいのは、素材は全て窓ガラス越しに撮影されていて、おかしな色かぶりになってしまっている。
これを補正していく。

【シーン1】

図1-1. オリジナル素材(before)
01-scene01-b.jpg

まず、素材の状態を各種カラースコープで分析するところから始める。
例えば私が使っているのはpremiere pro CS5だが、タイムラインプレビュー画面をコンポジット映像(見たままの映像)から各種スコープに切り替えるボタンがついている。
(「カラー補正」ワークスペースに切り替えると、下部に常時表示できる。)
ヒストグラムとはまた一風ちがった、独特の見た目がとっつきにくく、0(黒)−100(白)くらいの大雑把なところしか勉強前はわからなかった。
「カラースコープ、なにそれうまいの?」的な宝の持ち腐れ状態。
が、カラーコレクションハンドブックはこの見方から詳しく説明してくれている。

まずは、YC波形(ルーマ波形)から見ていこう。

図1-2.YC波形の見方
01-scene01-comp-howt_yc.jpg

映像の成分はYcCbCrのYc(ルーマ)=明暗と、CbCr(クロマ)=色に分けられる。
YC波形スコープはこのルーマ(輝度)成分の分布を見るものだ。
映像の各フレームの水平方向(1920)とYC波形スコープの水平方向の各位置(ピクセル列)は対応している。(図1-2の赤枠で囲った列)
フレームの赤枠内の各ピクセル成分を取り出して、一番暗いものから明るいものへと積み上げていった結果を表示しているわけだ。
だから、例えば赤枠の位置にある映像を見るに、一番明るい雲の白い部分(黄色枠)と一番暗い植物の茂みの部分(水色枠)がスコープ上のどこにあるかを見る。
これにより、その他の各中間調の部分もこの位置だなと推測できる。

このシーン1では、映像の一番暗い植物の茂み部分はIRE0〜10の範囲内にあり、シャドウはつぶれもなく明るすぎることもなく、適切に収まっていることがわかる。
ただし、雲の白い部分がIRE90のところにとどまっており、晴れの日の宮古島ということを考えると、もう少しハイライトを明るくしてしゃっきりさせたいところである。

次に、RGBパレードスコープの見方

図1-3. RGBパレードスコープの見方
01-scene01-comp-howt_rgb.jpg

一方こちらは映像のクロマ成分(色相)のバランスを見ることができる。
各ピクセルをR(赤)、G(緑)、B(青)の成分にわけて抽出し、あとはYC波形の要領で、映像の水平位置を合わせて分布させている。
YC波形と違って、ぎゅっと水平方向に圧縮されて無理やり3個分を押し込んでいるので、ちょっと見難いが、原理は同じである。

見方としては、映像の右上にある雲に注目してみよう。
この雲の一番明るい部分は、本来色かぶりのない白〜グレー(彩度0に近い)であると仮定しよう。
(実際は黄色がかったり、青みがかったり、赤みがかったり、天候や時間帯によってさまざまだが、今は晴天の真昼間なので、無彩色であるとする)
この場合、RGBパレードの各成分の同じく右上の方を見ると、色かぶりがない状態というのは、このあるべき部分において、RとGとBがそれぞれ同程度の数値になるということである。
ところが、このシーン1の例ではRGB同士を比較したときに、Rが少ない(低い位置にある)のがわかると思う。つまり、やや青〜緑の色かぶりが発生しているということがわかる。

次に、ベクトルスコープ。
と行きたいのだが、今回の例ではあまりベクトルスコープが役立つ場面がないので、次回のStep2に解説はまわすことにする。

さて、カラースコープを使った素材の分析で、修正の方向性が見えてきたところで、
これらの問題点を補正するのが、Colorista 2などのグレーディングソフトの出番である。
グレーディングソフトには、今無料になって話題のDavinciResolveや、最近でたadobeのSpeedGradeなどさまざまなものがあるが、私はとりあえず中でも安価で敷居が低く、Premiere内部でプラグインとして手軽に使えるColorista 2を使う。
(将来的に、何ができるかできないかをちゃんと見極めた上で上位ソフトに移るかもしれないし、ひょっとしたらこれで十分と思うかもしれない・・・未定)
ちなみに、カラーコレクションハンドブックの著者Alexis先生がさすがプロであると感心させられる所以は、単なるソフト手順解説にとどまらず、映像を補正するときに、何をどうしたいかということがまずあって、そのために、Aというソフトではこうする、Bというソフトではこちらの機能で同じことができる(またはできない)、というのをちゃんと書いてくれているところである。

グレーディングの過程は、冒頭に書いた
1.整える
2.被写体を際立たせる
3.全体的な色合いを変える
の3工程であるが、Colorista 2では大まかにこれに沿って
*Primary
*Secondary
*Master
の3つのタブに分かれている。
ただし、実際には1の工程の時点でSecondaryのキーやパワーマスク、またMasterのパワーマスクを使うこともあるし、Primaryを使わずにいきなりSecondaryから入る場面もあるだろう。
できることとしては
*Primary
映像の全体に対しての調整項目
*Secondary
キーやパワーマスクで映像の一部を任意に切り出して調整を加える
*Master
Primary、Secondaryが終わった後の、全体的な色調整項目(カーブ含)
※パワーマスクがこのMasterにもついており、Secondary的な使い方をすることもできる。

と、全体的な説明が終わったところで、話をシーン1に戻そう。

まずはコントラスト補正から始める。
シーン1のコントラスト上(ルーマ)の問題点は、ハイライトが足りないことにある。
なので、まずはPrimaryの3-wayを調整する。

図1-4. 3-wayコントロール
01-scene01-c-01.JPG

この3つのカラフルな円は、左からシャドウ(リフト)、中間調(ガンマ)、ハイライト(ゲイン)をそれぞれ調整するものだ。
理論的には、シャドウ(リフト)はYC波形の一番下の部分のみ、ハイライト(ゲイン)はYC波形の一番上の部分のみ、中間調(ガンマ)はその中間のみを選択的にコントロールすることができる。
ただし、実際にはシャドウを動かすと中間調もそれに合わせて若干上がってしまうし、ハイライトはその逆の現象が起こる。
なので、ハイライトを上げた後、中間調を戻す、など組み合わせて使うことが多い。

3-wayというのは、この3つについて、それぞれHSL(色、彩度、輝度)を調整できるようになっている。
Colorista 2の場合は、一番外側の円の右についている白黒のグラフに沿って黒い短いバーを動かすことで輝度を調整し、中間の円の中心にある丸いポインタを各色方向にドラッグすることで色相を変化させ、一番外側の円の左についている白い短いバーの上げ下げで彩度をコントロールすることができる。

シーン1のコントラスト補正を行う方法として、まずは図1-4のようにハイライトの輝度を上げた。
目安はYC波形の変化を見ながら、雲の一番白い部分が100の手前までくるようにした。

図1-5. コントラスト補正によるYC波形の変化(シーン1)
01-scene01-comp-yc.jpg

次に、シーン1のカラーバランスの補正に移る。
やることは、3-wayの各ホイールの真ん中の色相をつかさどるポインタを使って色相を変化させる(この場合は赤みを増やす)ことだが、これを自動でやってくれる機能がある。

図1-6. Auto Balance
01-scene01-c-02-.JPG

Auto Balanceにはカラーピッカーがついていて、これで無彩色にしたい部分をクリックする(図1-6では黄色枠の雲の部分)ことで、自動で3-wayのポインタを移動させてくれるのだ。
(このあたり、上位ソフトだと、シャドウ、ミッド、ハイライト別々に補正できるようだが、Colorista 2はいさぎよく一発仕上げになってしまう)
これであたりをつけて、あとは自分で3-wayをいじればよい。

図1-7. カラーバランス補正(3-way)によるRGBパレードの変化
01-scene01-comp-rgb.jpg

で、仕上がりがこちら

図1-8. beforeーafter
01-scene01-comp-ba.jpg

色かぶりがとれて抜けがよくなった。
もっと彩度を上げたりコントラストを上げたりすることもできるが、かなり控えめに最低限の味付けにしてある。
(このあとMaster工程等で色を変えていくことを見越して)

ひらめきメモひらめき
3-wayによる調整と、写真補正の世界ではおなじみの「カーブ」による調整とどちらがいいのか?
という問題についてもカラーコレクションハンドブックでは明確に答えてくれている。
「どちらでも。速いほうでかまいません」
ただし、カーブの方がより細かくポイントを打ったりして調整項目が多いため、これからやるならカーブで慣れていてもいいかな?と記されている。

また、after(調整を加えた後)の各スコープの波形に入る横じまは、明確に画像劣化を表しており、4:2:0の高圧縮素材と4:4:4の素材(RAWとか)ではこの部分が明確に違うのだそう。

【シーン2】

図2-1.beforeーafter
01-scene02-comp-ba.jpg

ここでは、Primaryで全体的なコントラスト補正を行い、ハイライトを上げて全体の抜けを良くした。
ただし、そのことによって、青空の深みが少し薄れてしまったように感じた。
このシーン2の映像全体を見渡したときに、青い部分は空しかない。
こういうときは、HSL調整(色カーブ)機能が便利だ。

図2-2.HSL調整(色カーブ)
01-scene02-c-01.JPG

8つの色相のポインタを持つ円が2つ。
左の円は彩度調整、右の円は明度調整を行うものである。
各ポインタをドラッグして、円の外側または内側にドラッグすることで、その映像の中のその色の部分だけの彩度・明度を上下させることができる。
今回のシーン2の場合は、青(濃い方)のポインタについて、左の彩度の円では外側(彩度が高くなる)に、右の明度の円では内側(暗くなる)に動かしている。
ちなみに、各ポインタを隣り合う別の色の方向に移動させることで(円周方向)、色相を変えることもできる。例えば、青をシアン(水色)っぽくふったり、紫方向にふったりすることもできる。

ここで、カラーコレクションに載っていた非常に有用な方法がある。
HSL調整の右の円で色のルーマ成分を大きく上下させることは、特に高圧縮素材(4:2:0)の場合は非常に危険なのだそうである。

図2-3. HSL調整で青の明度を大きく下げると・・・
01-scene02-comp-bad-luma-down.jpg

私の今までの常識からいくと、明度を下げる場合には、上げる場合に比べて劣化は目立たない、という思い込みがあったのだが、そういうことでもないらしい。

【シーン3】

図3-1. beforeーafter
01-scene03-comp-ba.jpg

【シーン4】

図4-1. beforeーafter
01-scene04-comp-ba.jpg

【シーン5】

図5-1. beforeーafter
01-scene05-comp-ba.jpg

【シーン6】

図6-1. オリジナル素材(before)
01-scene06-b.jpg

さて、最後のこのシーン。私の一番お気に入りのシーン。
元素材をぱっと見た印象も、それほど悪いものではない。

図6-2. シーン6 YC波形
01-scene06-b-yc.jpg

もともとコントラストは十分で、シャドウの締まりもハイライトの抜けも良い。

図6-3. シーン6 RGBパレード
01-scene06-b-rgb.jpg

画像のうち下半分を占めている灰色のアスファルトの部分がわりと高輝度な部分だが、ここのバランスが崩れている(例の青緑かぶり)のがわかる。

この状態を私なりに分析した結果はこうだ。
コントラスト補正は必要なく、道路部分のみの色かぶりをとりたい。
空はこのままで十分きれいだ。さわりたくない。

とすると、先ほどのシーン2とは逆の発想になる。
空「以外の部分」だけに調整を加えたい。
ところが、空「以外」には何があるかと言うと、緑の植物と黄色と白のライン、グレーのアスファルトと車のダッシュボード、さまざまな色が混在している・・・ということは、先ほどのHSL調整では対応できそうにない。

ということで、Secondaryの出番となる。

図6-4. Secondary Key
01-scene06-c-01.JPG

ある特定の色範囲を持つピクセルを自動で抜き出してマスキングするのが、このSecondaryのKeyの役割だ。
そういう意味でHSL調整(色カーブ)と同じだが、よりカスタマイズ可能で、さらには「invert」(マスキング効果の反転)ができるのが大きい。
Colorista 2での使い方はこちらのビデオが詳しいので詳細は割愛する。
ここでは、カラーコレクションからの情報に基づいた今回のポイントを載せる。
図6-4のダイアログの右上に「Hue」「Saturation」「Lightness」の3つのポッチがついており、これにより、カラーピッキングにフィルターをかけることができる。
例えば今回の場合だと、青空「以外」を選択したいので、「Hue」(色相)が一番特徴的で効果的なマスキングになりそうだ。まずHueのポッチのみにフィルタリングしてから、青空の部分を抜き出し、さらにはそれを「Invert」(反転)するわけである。

図6-5. Keyでマスキングした部分へのSecondaryでの3-way調整
01-scene06-c-02.JPG

中間調の部分の赤みが足りないのを足している。

図6-6. beforeーafter
01-scene06-comp-ba.jpg

青空の部分はまったく色が変わらず、植物〜アスファルトの部分のみちょうどよい色バランスになった。

ちなみに、カラーコレクションハンドブックからの情報だが、緑の記憶色(実際にどのように見えたかではなく、人が連想し期待するその対象物の色)は、彩度が高すぎない方が高感度が高いそうである。
また、補色対比ともいうように、空の「青」に対して、それ以外の部分を補色方向の「オレンジ」に振っているので、よりコントラストが高まる効果が得られるということも解説されている。
非常に奥が深い本である。

さぁ、これで余計な色かぶりがとれた。
次項では、Step2 「被写体を際立たせる」に進む。
posted by そよはっは at 12:56| Comment(5) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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